外交・安全保障担当の佐藤武嗣です。この分野は、軍事的脅威など国際社会や日本周辺で何が起きているか、「現実」を直視する必要があります。それと同時に、意図せぬ紛争が起きぬよう、憲法を含む法の支配や国際規範を守り、軍拡を抑止する「理想」も追求することが求められます。私自身、「現実主義」と「理想主義」のバランスをどうとるか日々自問していますが、ぜひ皆さんとも一緒に考えていければと思います。
菅義偉首相が外交理念や日米同盟論など、熱っぽく語る姿は見たことがありません。そんな外交手腕が未知数の菅首相が、組閣でどんな布陣を敷いてくるのか注目していました。自民党国防族や防衛関係者の大方の予想を裏切ったのが、安倍晋三前首相の実弟・岸信夫氏の防衛相起用でした。
拡大する会見する岸信夫防衛相=2020年9月17日午前0時36分、首相官邸、西畑志朗撮影
起用にあたり、菅氏にはどんな計算があるのでしょうか。政府や自民党に取材してみると、①特に狙いはなく、弟の起用で安倍氏に義理立てした②安倍外交の継承を印象付けたかった③中国への牽制(けんせい)――という三つの見方があるようです。
菅氏の真の狙いはわかりません。岸氏は防衛政務官や外務副大臣も経験していますが、自民党内では「国防族というより、外交族」(防衛相経験者)という評が一般的です。党国防族の中には「菅氏に外交・安保の嗅覚(きゅうかく)はない。単に前首相に義理を果たしたかったのだろう」との声もあります。
ですが、第二のシナリオ、安倍…
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