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 神奈川県座間市のアパートで2017年、若い男女9人の遺体が見つかった事件で、強盗・強制性交殺人や死体損壊・遺棄などの罪に問われた白石隆浩被告(29)の第2回公判が5日、東京地裁立川支部であった。自殺願望を示していた被害者らが殺害に同意したかが争点だが、検察側は「(被害者は)自殺の意思を撤回するメッセージを発信していた」と強調した。

 審理は、9人の被害者を殺害順に3組に分けて行われる。①2017年8月の3人②同9月の4人③同10月の2人で、この日は①について検察側、弁護側が詳しい冒頭陳述を行った。被害者の名前は、ABCなどの匿名で呼ばれた。

 検察側によると、白石被告は神奈川県の女性(21)と8月上旬にツイッターで知り合い、女性と、同県の男性(20)の2人の自殺を手伝ってほしいと頼まれた。

 女性に貯金があると知った被告は「ヒモになろう」と考え、自殺をやめるよう説得。同居も提案し、女性から51万円を預かって犯行現場のアパートを契約した。だが、「ヒモにはなれない」と判断し、いきなり首を絞めて殺害した。

 続いて白石被告は同月下旬、自殺仲間を募るツイートをした群馬県の女子高校生(15)と会った。女子高校生は「色々考えた結果生きていこうと思います」と被告にラインをしたが、アパートに呼んで殺害。さらに、1人目の女性と一緒に会った男性は「俺、これからはちゃんと生きていきます」とラインをしてきていたが、口封じのために殺したという。

 検察側は、3人が自殺の意思を撤回し、失踪を装うために携帯電話を海に捨てるよう求めた被告の指示にも従わなかったことから、「殺害を承諾していなかった」と強調した。

 一方、弁護側は、殺害の同意があったとして法定刑の軽い「承諾殺人罪」を主張する。この日は、対人関係の悩みを抱える3人が、白石被告と出会う前に自殺を図ったり、「殺されてもいいから終わりにしたい」と日記に書いていたりした様子を詳細に説明。強い自殺願望を抱く3人は「殺害方法と殺害希望日を被告に伝えていた」と指摘した。(加藤あず佐、西村奈緒美)