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 新型コロナウイルスの感染拡大が再び起きているフランスとスペインで、新規感染者の増加が止まらない。パリでは5日、感染者数や集中治療室の病床などの指標が最悪レベルに達し、バーやスポーツ施設の閉鎖が決まった。両国は欧州の中で再拡大の規模が突出しており、政府のちぐはぐな対応や「第2波」到来を冬と読み違えたことが、原因として指摘されている。

 フランスは感染状況に応じて各地域を三つの警戒区域に分類しており、パリはマルセイユなどに続いて最悪レベルに相当する「最大警戒区域」に区分された。6日からショッピングセンターの入店が4平方メートルあたり客1人に制限されるほか、大学の教室も受講者が定員の半分に限られる。

 フランスでは3日、1日あたりの感染者数が過去最悪の1万6972人に達した。5月にいったん200人以下まで抑え込んだものの、夏から急増し、連日50人近くが亡くなっている。

 パリの人口あたりの感染者数は国平均の2・5倍。4日にはパリを拠点にしていたファッションデザイナーの高田賢三さん(81)が亡くなった。仏保健省によると、リヨンやトゥールーズなどの都市も今週、最悪レベルに達する見通しだ。

 悪化が止まらない理由の一つは、政府が経済の本格再開と感染制御との間で板挟みになっていることだ。

 最大警戒区域ではレストランやカフェの閉鎖が義務づけられているが、パリのイダルゴ市長と4日に協議した仏政府は今回、パリではこれを見送った。コロナ禍で苦境のシェフらが猛抗議しているためだ。

 9月下旬に同区域に位置づけられた南仏マルセイユでは全飲食店が閉鎖させられていたが、これについても今後は再開を認めるという。パリと整合性をとった形だが、ちぐはぐな決定に「恣意(しい)的だ」(仏紙ルモンド)との批判が上がっている。9月11日には、感染者が増えているにもかかわらず、感染者の自主隔離期間が1週間に短縮された。

 3月に「我々は戦争状態にある」とテレビ演説したマクロン大統領は、夏からは「ウイルスと共存しなければならない」と戦略を転換。政府は夏のバカンスの国内旅行も呼びかけた。

 「全ての人が受けられるようにする」と7月にマクロン大統領が明言した検査は、9月になっても数週間待ちの状況だ。政府は集中治療用の病床を1万2千床に増やすと約束したが、仏紙フィガロは、ほとんど増えていないと報じている。

 世論調査では、政府の対応を信頼する人が3月の55%から9月には36%に低下。政府が国民に真実を語っていると思う人は24%にとどまっている。

 スペインのマドリードでは、2日から市内全域とその周辺地域に移動制限が拡大された。通勤や通学などの目的以外では、自治体間の出入りができなくなる。

 エルパイス紙によると、マドリードでは集中治療用病床の利用率が定員の110%に達し、院内に急きょ病床を設置してしのいでいるという。スペインは連日約1万人が感染し、犠牲者も200人前後に及ぶ。地元メディアは、政府が第2波の到来を冬以降と見込んでいたため、検査態勢拡充などの準備が遅れたと指摘している。

■「欧州の優等生」にも再拡大の…

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