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 大田区立出雲小学校3年生の児童たちが5日、「食品ロス」について学ぶ特別授業を受けた。講師を務めたのは、賞味期限切れ食品を扱う地元のスーパーの従業員たち。社会科見学でこの店を訪ねた一部の児童が問題意識を深め、学年全体で学ぶ機会に発展した。

 「日本で捨てている食品の量は、世界で飢えに苦しんでいる人に援助している量の倍もあるんです」

 教壇に立った「OROフードレス救(キュー) 糀谷店」の森恵美さんと田中和美さんが児童たちに語りかけた。店では賞味期限が切れそうなものや、切れていても食べられるものを専門に扱う。しかし、まだ食べられるのに廃棄されている食品は国内で年間600万トンを超えている――。手作りの紙芝居や電子黒板でわかりやすく説明。「国民1人あたり茶わん1杯のご飯を毎日捨てていることになる」

 特別授業のきっかけになったのは、児童たちの“気づき”だった。8月末、地元商店街での社会科見学でフードレス救を訪問先に選んだ児童たちは、ジュース20円、缶コーヒー50円、カップ麺39円など、低価格の商品を目にした。格安の理由は、メーカーや卸業者が抱える賞味期限間近の食品を買い付けているためだと説明を受けた。

 児童たちは、本来なら捨てられていた食品を売っていることや、背景にある環境問題に驚いた。堀内暁斗さん(9)は「初めて食品ロスのことを知った。ごみが減って、安く買えて人が喜ぶ、ダブルの効果があると思った」と話す。

 成果を新聞にまとめて発表すると、「もっと知りたい」と声が上がった。それを知ったスーパー側から、「より多くの子どもたちに食品ロスを伝えたい」と出前授業を提案した。

 自分たちに何ができるのか。授業の最後、児童たちは意見をプリントにまとめた。西川宗佑さん(9)は「こんなに捨てられているなんて知らなかった。食べられるものを捨てないようにしたい」と話した。フードレス救の森さんもこう期待する。「安く買えてうれしい、で終わらず、購入が食品ロスを減らすことにつながっていることまで知ってもらえたら」(阿部朋美)

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