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官邸、前回の学術会議選考にも関与 推薦前に名簿要求

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 日本学術会議が推薦した会員候補6人が任命されなかった問題で、会議が前回2017年の交代会員の正式な推薦候補105人を決める前に、それより多い候補の名簿を示すよう安倍政権時代の首相官邸が求め、会議が応じていたことが5日、わかった。複数の学術会議元幹部が証言し、官邸幹部も認めた。

 日本学術会議法は、会員は学術会議の「推薦に基づいて」首相が任命すると規定。210人の半数が3年に1度、10月に交代する。

 会議元幹部によると、14年秋の交代人事では官邸側に事前に選考方法や日程を説明はしたが、名簿提示は求められなかった。一方、17年秋は会議が推薦した105人がそのまま安倍晋三首相に任命されたものの、その前の選考過程に官邸が関与していたことになる。

 会員人事を巡っては、16年夏の補充人事の過程で官邸が難色を示し、3人が欠員する事態となった。複数の会議元幹部によると、同年12月ごろ、当時の大西隆会長(東大名誉教授)が官邸で杉田和博官房副長官と面会し、翌年の会員交代について、推薦候補を決める前の段階で選考状況を説明するよう求められた。協議の結果、選考の最終段階で候補に残る数人を加えた110人超の名簿を示すことで合意したという。

 翌17年6月末、大西氏と事務局職員は官邸を訪れ、合意通りに110人超の名簿を杉田氏に示し、選考状況を説明。官邸側から意見は出たが、最終的に会議が希望する105人の推薦が7月末の臨時総会で決まり、10月に全員が安倍首相に任命された。官邸幹部は、事前の名簿提示を求めた理由を「こちらが判断する余地がないのはおかしい。ある程度、任命権者と事前調整するのは当たり前だ」と説明した。

 会議元幹部の一人は「首相の…

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