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 今年のノーベル医学生理学賞が米国立保健研究所(NIH)のハーベイ・オルター氏ら米英の3人に贈られることが決まった。業績はC型肝炎ウイルスの発見で、血液検査や新薬の開発へとつながり、林紀夫・関西労災病院長は「世界の数億人もの命が助かった」と話す。

 世界保健機関(WHO)によると、世界で推定7100万人が慢性のC型肝炎ウイルスに感染し、2016年には約40万人が死亡した。国内患者は約150万人とされる。国立がん研究センターの統計では、2018年の肝臓がんの死亡者は約2万6千人。その半数以上がC型が原因とされる。

 C型肝炎は注射薬の使い回しや、医療機器の不適切な再利用、検査が不十分な血液製剤の輸血など、血液を介して他人にうつる。国内でも1990年代以前は医療行為によって感染が広がった。

 林氏によると、1964年にB型肝炎が発見されたものの、原因が特定できない肝炎がなおあった。C型肝炎ウイルスが発見されたことにより、検査法が確立され、検査の徹底でC型の新しい感染はほとんどなくなった。

 さらにウイルスの遺伝子配列を用いて、多くの抗ウイルス剤の開発にもつながった。

あり得た、日本人の受賞

 治療は92年から長い間、注射薬「インターフェロン」が主だったが、発熱やだるさ、吐き気、うつ症状などの副作用が治療の障害だった。

 それに代わったのがウイルスを直接攻撃するのみ薬で、国内では15年度に公的保険の対象となった「ソバルディ」と「ハーボニー」などがある。重い副作用が少ないことが特徴で、C型肝炎感染者の95%以上を治療できるとされ、肝硬変や肝臓がんによる死亡のリスクを減らすことができるようになった。大阪大微生物病研究所の松浦善治教授は「ウイルスがいなくなる画期的な治療薬ができたのも、遺伝子が見つかったことが始まりだ」と評価する。WHOは2030年までにウイルス性肝炎による死亡を65%減らす目標を立てている。

 こうしたC型肝炎ウイルスの発…

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