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 「シュモク」と聞いて、真っ先に何が思い浮かぶだろうか。本来は仏具のひとつで、鐘を鳴らすT字型の道具「撞木(しゅもく)」だが、同じ形の頭を持つ魚「シュモクザメ」を思い浮かべる人もいるのではないだろうか。似た形の頭を持つ生き物は、昆虫にもいる。摂南大(大阪府枚方市)の工藤愛弓助教(応用昆虫学)は、「シュモクバエ」を研究する研究者だ。

 工藤さんの研究室を訪れると、プラスチック製の飼育箱の中で、数十匹の「ヒメシュモクバエ」がブンブン飛んでいる。普段、家の中を飛び回るハエには不快さを感じるが、目と目が離れた珍妙な姿は、かわいらしくもある。

 シュモクバエの仲間は主に東南アジアやアフリカなどにすみ、世界で100種以上が知られている。国内ではただ1種、ヒメシュモクバエが沖縄県の石垣島や西表島に生息している。島内の淡水域の石などに群れて張り付いていることがあるが、食べ物や習性、繁殖などの生態は謎に包まれている。

 工藤さんはこれまで、主にショウジョウバエを研究してきた。大学院の博士課程を終え、研究者として独立する際、「オンリーワンの生き物を相手にしたい」という気持ちがわき上がり、ヒメシュモクバエに目を付けた。

 謎に満ちた生き物で、飼育法も確立されていない。他のハエの飼育に使うバナナの実を餌にしても、ヒメシュモクバエは全く食いつかない。工藤さんは繰り返し採取しては全滅させ、2年かけて飼育法を見いだした。「餌は未発表で、最高機密です」

 シュモクザメもシュモクバエも…

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