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 どんな難問もすらすらとこなすタレントや現役東大生と卒業生たち。彼らにお目にかからない日はないくらい、テレビのクイズ番組は花盛りです。実は半世紀ほど前にも、考える楽しさを詰め込んだ『頭の体操』(光文社)という本が一世を風靡(ふうび)しました。シリーズ化され、大ベストセラーになった同書は、脳科学者・茂木健一郎さん(57)の愛読書だったとか。いま読み直してみると、昨今のクイズとはひと味違う、著者の熱い思いが伝わってきます。

拡大する写真・図版頭の体操(光文社カッパブックス版)

 Q 100のチームが出場する野球の試合。優勝決定までに最低何試合が必要?

 Q 24人を6列に並べて、各列とも5人ずつになるようにするにはどうしたらいい?――

 こんな問いがずらりと並ぶ『頭の体操』の1冊目が刊行されたのは1966年12月。たちまち小中学生から社会人まで幅広い読者の人気を集めた。シリーズ化され、翌年までに立て続けに刊行された計4冊はいずれも100万部のヒット。2001年の第23集までの累計は1200万部となった。

 「この本を読み終わったときには、固定観念でこり固まったあなたの脳ミソは、コンニャクみたいに、クニャクニャになっているにちがいない」。著者の多湖輝(たごあきら、1926~2016)は自信たっぷりに「まえがき」に書いた。「そのときにこそ、あなたははじめて、生産的、創造的人間への第一歩を踏み出したことになる」

 知らなければ答えられないのがクイズなら、『頭の体操』に盛り込まれたのは、知識がなくても考えれば正解にたどりつけるパズルだ。多湖が編集者やパズル作家らと編み出した問いは、どれも発想力や創造性が試される。

時間をかけて考えることで脳は成長

拡大する写真・図版茂木健一郎さん

 茂木健一郎さんも同シリーズに幼くしてはまった一人。小学校に上がるくらいからぜんぶ買ってもらい、中学生くらいまで新作が出るたびに熱心に読んだ。その出題からは、常識にとらわれないことや別の角度から物事を見ることの大切さが子ども心にも感じられたという。

 「現代ならさしずめ、巨大IT…

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