民家で猫144匹保護 目痛くなるほどの刺激臭、死骸も

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岩本修弥
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 神奈川県海老名市の住宅で9月、猫144匹が県に緊急保護されていたことがわかった。室内の至る所に猫のフンなどが放置され、悪臭が近隣まで漂っていたという。死骸も複数発見された。ペットが増えすぎて適切に飼えなくなる「多頭飼育崩壊」は社会問題化しており、県は「手に負えなくなる前に相談してほしい」と呼びかけている。

 「住宅に入った瞬間、目が痛くなるほどの強い刺激臭を感じた」。県による緊急保護に立ち会った日本動物愛護協会評議員の河野治子さん(51)はそう話す。

 現場は海老名市内の住宅街。室内は玄関から台所、居間に至るまで、住居全体が猫のフンや尿にまみれていた。猫の多くは栄養が著しく足りず、脱水症状を起こしていたという。悪臭が屋外まで漂っていた。

 県厚木保健福祉事務所によると、住宅は2階建てで家族4人が暮らしていた。住民の女性は県の聞き取り調査に対し「約10年前から拾った猫を飼い始めた。だんだん数が増えてきて困っていた」などと説明しているという。

 河野さんによると、近隣住民は数年前から悪臭を感じていた。だがコロナ禍で在宅時間が増え、換気のため窓を開けていることも増えたため、悪臭に耐えられなくなり、今年5月に同事務所に相談。同事務所は9月中旬、動物愛護団体「たんぽぽの里」(相模原市中央区)のスタッフらとともに立ち入り調査した。

 劣悪な環境だったことから、9月29日までに144匹を保護したという。県警にも通報し、海老名署が動物愛護法違反の疑いで調べている。

 多頭飼育崩壊をめぐっては…

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