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 ボトルの一部が不自然に削られた洋酒が出回っている。メーカーが商品を管理するための製造番号が、消されてなくなっているという。誰が、何のために製造番号を削っているのか。正規品ではない商品が流通している可能性があり、業界団体は対応に苦慮している。

 日本洋酒輸入協会(東京)は昨年9月、相場より4割ほど安く量販店で売られていた高級ワインを、市場調査のため購入した。ワインボトル下部に「IMPORTED」のシールが貼られており、はがしてみると、周りと色合いが少し異なってざらついていた。シールで隠されていた場所にあったはずの製造番号が、やすりのようなものでこすられたように消されているという。

 製造番号は、商品に問題が見つかった場合にメーカーが漏れなく回収するために記載されている。流通経路を確認し、保管状態などに問題がなかったかを正確に把握できるようにするためだ。ボトルのネック部分やラベルの下などに、レーザープリントや浮き出るような加工で英数字が刻まれている。

 協会によると、製造番号が消された洋酒は、遅くとも10年ほど前から正常なものに紛れて流通しているという。記された場所によって番号の消し方は様々で、ネック部分を覆っているアルミフィルムやラベルをいったんはがして番号を削り取り、元に戻しているケースもある。そのため外見からは異常に気づきにくいことが多い。

 こうした事態を受け、酒類を所管する国税庁は2014年、「消費者の酒類に対する信頼性に疑念を与える可能性があり、望ましくない」として周知を呼びかける通達を、同協会を含む業界8団体あてに出した。ただ歯止めはかかっておらず、業界関係者によると、高級酒ほどその割合が高い傾向にあり、流通量全体の数十%を占めるブランドもあるという。

 製造番号が削られるのは、メーカー側が求める輸送時の温度設定といった保管条件を守っていない商品が対象となっている可能性がある。コストがかからない一方で、正規に流通するものより品質が劣るおそれもある。中身が本物かどうかも保証がない。

 東京大の玉井克哉教授(知的財…

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