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 筑波大で、永田恭介学長(66)の来春の任期満了に伴う学長選びが大詰めを迎えている。関係者によると、永田氏を含む2人が候補者として学内に公示された。最長6年間だった任期の上限が今回から撤廃されることになっており、国立大学協会長も務める永田氏による、前例のない「長期政権」が続くかが焦点だ。

 次期学長予定者は、民間有識者や学内の教員代表らをメンバーとする学長選考会議で20日に選出される。

 手続きの過程は学外に公表されていないが、関係者によると、3月の学長選考会議で任期や再任回数を定めた学内規則などが改正され、4月1日付で教職員向けに通知された。

 それまで学長の任期は4年間で、2年間の再任が認められていた。最長の在任期間は6年間で、その後は次の学長に交代することになっていた。だが規則の改正で、任期を3年間とする一方、通算任期や再任回数に関する上限は撤廃。制度上、同一人物が無期限で続けられるようになった。

 理由として学長選考会議の河田悌一議長(大学資産共同運用機構理事長)は「学長には『大学の顔』としてプレゼンスを高めていく役割があり、短期間で代わることは好ましくない」と説明している。

 今月5日に教職員向けに出された公示では、いずれも学内の教育研究評議会が推薦した永田氏と、生命環境系長の松本宏教授(65)の2人が候補として決まったと明らかにされた。

 評議会は8月下旬から9月上旬にかけて、教職員に「意見聴取」を実施。対象者5441人のうち有効回答は1648人で、松本氏が951票、永田氏が584票を得たという。ただし、学長選びの権限は学長選考会議にあるとして、意見聴取の結果は選考の要件となっていない。

 現職の永田氏は13年4月、当時の山田信博学長が脳梗塞(こうそく)に倒れた後に、再任期間を引き継ぐような形で2年間の任期で9代目に就任。その後正規の6年間の任期を務めているため、例外的に7年半にわたってトップに座っている。19年6月からは国立大学協会長も務める。

 現職の在任中に選考の仕方が変更されて本人に適用されることに、学内からは「現学長が任命した選考会議のメンバーらが決めるのはフェアではない」などと透明性と公平性に疑問の声も上がっている。

 筑波大は「定められたルール・プロセスで審議を続けている。選考過程は次期学長予定者が決定したら記者会見で公表する」としている。新学長は、文部科学相からの任命を受けて、来年4月1日に就任する予定だ。(庄司直樹)