[PR]

 長崎くんち初日にあたる7日、新型コロナウイルスの影響で奉納踊(おどり)などが中止になった長崎市中心部は、シャギリの音色も聞こえない静かな1日となった。「くんちロス」を癒やそうと、くんちにちなむ様々な催しも開かれた。

 7日午前、長崎市新地町のバスターミナルの待合所の広告画面に、くんちの演(だ)し物の塗り絵が次々と映し出された。「龍踊(じゃおどり)」や「コッコデショ」、「川船」など6種類。下絵を手掛けたのは、漫画「弱虫ペダル」の作者で長崎市出身の漫画家、渡辺航さんや県ゆかりのイラストレーターらだ。

 県美術館がホームページで下絵を公開して塗り絵を呼びかけ、寄せられた作品約100点の画像を9日までJR長崎駅前や県庁などで紹介する。美術館のアートビジョンや動画配信サイトでも放映される予定だ。

 企画した美術館の担当者は「塗り絵で庭先回りのような雰囲気を感じてもらえたらうれしい」と話す。

 同市浜町のアーケードでは、長崎伝統芸能振興会が主催する「まちなか写真展」が始まった。43の踊町(おどりちょう)から提供を受けた演(だ)し物の写真や、アマチュア写真家が撮った昭和20~30年代のくんちの写真を9日まで展示している。

 オープニングセレモニーで宮脇雅俊会長は「本来はくんち一色のはずだった。この思いを来年に」とあいさつ。田上富久市長は「朝から『くんちロス』。来年は2年分の思いを形にしてほしい」と話した。芸子を派遣する「長崎検番」が祝舞を披露した。

 中華料理店経営、楊爾嗣(ちかし)さん(69)は、写真に孫の姿を見つけた。例年は観光客で店が忙しいが、この日は休みにした。「神社に参拝して、くんちを少しでも感じる1日にしたい。寂しいけどやむを得ない」

 諏訪神社では有志らによる参拝の姿もあった。立山1丁目自治会の井村啓造会長(74)は神輿守町(みこしもりちょう)などの約20人で訪れた。「きょうはくんち日和。開かれていたらすごい盛り上がりだったと思う。コロナが沈静化して来年はますます良いおくんちになれば」と期待を込めた。(小川直樹)

関連ニュース