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 千葉県勝浦市新官の妙海寺が、12月から海洋葬「海の弔い」を始める。地域の人たちや漁業関係者の同意、協力を得て、海への散骨を中心にした供養の方法だ。佐々木教道住職(43)は墓じまいで困っている人や、自然葬を探している人らを対象に取り組み、新しいコミュニティーを作っていきたい、と話している。

 妙海寺は海辺の高台にある日蓮宗のお寺。敷地の端に立つと、太平洋が目の前に広がっている。佐々木住職は、葬式の時だけの寺ではなく、普段から多くの人が訪れる場所にしようと、様々な催しを開いてきた。

 カレーやラーメンの店が集まる「寺市」、海の環境をテーマにした講演会、ヨガ教室、体験修行、「お寺でランチ」、地域の空き家を使った民泊事業……。コロナ禍の中、全国のオンラインでの瞑想(めいそう)イベントにも参加している。

 その佐々木住職が5年ぐらい前から考えてきたのが新しい供養の形だ。跡継ぎがおらず継承者がいない墓の問題、残された家族に負担をかけたくないと考える人など、住職としていろいろな相談を受けてきた。

 そんな中で生まれてきたのが、海へ散骨し、海を一望する境内に供養塔を設置、そこで法要を行うという形だ。遺族からは持続可能な費用だけを徴収し、「従来の檀家(だんか)とは違う、新たな寺のサポート制度を作りたい」と考えた。

 背景には寺自体の存続の問題もある。現在の檀家は約160軒と、寺を維持できる数だが、その半数は跡継ぎがいないという。「20年後には檀家が半数になることが予想され、寺の運営は厳しくなる。檀家を守るためには、寺を存続させねばならないとも考えた」

 散骨は海岸から1カイリ(1852メートル)以上沖で行う予定。散骨するのは遺骨のうち9割とし、残り1割は供養塔の地下で弔う。また、散骨とは別に、海の見える場所に家族単位の永代供養墓184区画を用意する。こちらは、跡継ぎがいなくなったあと、13年経ってから散骨する。費用など詳細は検討中だ。「大事に弔いたいのだけれど、できない人たちを助けたい」という。宗派は問わないが、弔ったあとは日蓮宗の儀式で行う。

 問い合わせは妙海寺(0470・73・0399)。「妙海寺 海の弔い」で検索すれば、ホームページがある。(稲田博一)

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