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 トランプ米政権が持ち出した約200年前に起源を持つ外交原則がある。かつて中南米を「裏庭」とみなし、介入を正当化した「モンロー主義」だ。

 「私の政権は、キューバ、ベネズエラ、ニカラグアで自由のために戦うすべての市民とともにある」。9月23日、ホワイトハウスで開かれた式典で、トランプ大統領は新たな対キューバ制裁を発表した。「自由な半球は目前だ」と述べると、大きな拍手に包まれた。

 式典は、米国の支援を受けた亡命キューバ人の部隊が1961年、革命政府の転覆をめざしてキューバに侵攻した「ピッグス湾事件」を記念したものだ。集まったキューバ系米国人らを前にトランプ氏は「(キューバと国交を回復した)オバマ・バイデン政権はキューバ国民を裏切って、カストロ独裁政権と一方的な取引をした」と非難した。

 だが、キューバ封じ込めが元々の本心だったわけでもなさそうだ。オバマ政権の国家安全保障会議(NSC)で中南米を管轄する西半球担当上級部長だったマーク・フェアシュタイン氏は「大統領引き継ぎ時、トランプ氏は、キューバとの国交回復を『いいことをした』と言っていた」と証言。「ビジネスマンとしての考えだったのだろう」と指摘した。

 米マイアミ・ヘラルド紙によると、トランプ氏の会社は2008年、キューバでゴルフ場やホテルなどに使うために、自社ブランドの商標登録手続きをしていた。再び米国人のリゾート地になると当時は考えていた可能性がある。

 16年の大統領選でトランプ氏は「メキシコ人は犯罪者集団」「国境に壁を建設する」と訴えるなど、中南米を厄介者扱いする発言を繰り返した。就任後は、中南米の首脳らが集まる18年の米州サミットへの出席を直前にキャンセル。参加国からは落胆の声が漏れた。

軽視から介入へ

 政権の中南米軽視はあからさまだったが、その後、前のめりな介入へと急転回する。ベネズエラ危機が始まりだった。19年1月、独裁的な支配体制を固めた反米左派のマドゥロ大統領が2期目の就任を宣言すると、野党のグアイド国会議長が「不正な選挙は無効で大統領は不在だ」として自ら暫定大統領への就任を宣言。トランプ政権はすぐさまグアイド氏を承認した。

 「モンロー主義はしっかり生き…

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