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 2025年には高齢者の5人に1人にのぼるとの推計もある認知症への理解を深めてもらう講演会が8日、徳島県鳴門市北灘町の櫛木集会所で開かれた。住民ら約30人が参加し、認知症の人の日常生活をVR(仮想現実)機器を使って体験した。櫛木ボランティア会が主催し、認知症の啓発に取り組む朝日新聞社の坂田一裕・総合プロデュース本部員が講師を務めた。

 「認知症フレンドリープロジェクト」を担当する坂田本部員は、国内の認知症や認知症予備群の人が約1千万人にのぼり、「身のまわりに認知症の人がいるのが当たり前の社会になる」と説明。認知症の人のインタビュー動画を披露し、「認知症になると何もできなくなると思われがちで、過剰な手助けをしてくれる人が多い」「必要なことだけ手助けし、本人が自立して生活するためのサポートを」と訴える声を紹介した。

 参加者はVR機器も視聴。幻視で見えた子どもに話しかけたり、空間の把握が難しくなって階段を恐る恐る下りたりする認知症の日常を体験した。地元の主婦上原委(しず)さん(70)は「認知症の人の生の声を聞き、VRを通じてどういう状態なのかがよく分かった。認知症の親を介護する人に教えてあげたい」と話した。

 櫛木ボランティア会は来年2月13日午後2時から、認知症の専門医を招いて基礎知識を学ぶ講演会を同集会所で開く。鳴門市民を対象に8人ほど参加者を募っている。無料。申し込みは北灘地区自治振興会(088・682・0442)。(吉田博行)