拡大する写真・図版医師の大脇幸志郎さん=東京・渋谷、迫和義撮影

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 健康であることはいいことだ。だが医師の大脇幸志郎さん(36)は、甘い物や酒を我慢するなど人生の楽しみを犠牲にしてまで、健康である必要はないという。そもそも健康にいいとされることには、「迷信」と言えるものも少なくないと指摘する。コロナ禍でより強まる「健康至上主義」の風潮は、私たちを窮屈にさせるだけだと言うのだが――。

 おおわき・こうしろう 1983年、大阪府生まれ。医学部を卒業後、「医師に向いているのか」と悩み2年間フリーターに。出版社勤務、医療情報サイト運営を経て医師。著書に「『健康』から生活をまもる」、訳書に「健康禍 人間的医学の終焉と強制的健康主義の台頭」。

 ――「健康」に気をつけるのがよくないことですか。

 「素朴に考えれば、健康で長生きできた方がいいに決まっています。ところが健康を追求するあまり、犠牲にしていることがあるのでは、という両義的な視点が必要です。たとえば糖尿病患者は『食べ物に気をつけるように』と言われますが、その人にとっては、非常につらい選択かもしれない。生活をつまらなくしてまで、健康第一の生き方でいいのでしょうか。人はだれしも、健康より大事なものを持っています」

 ――太く短く生きた方がいいということですか。

 「平たく言うとそうですし、同じ人でも『太く短く』と言っていたのが、いよいよ具合が悪くなると『もっと健康に気をつけておけばよかった』と変わるものです。そうなったときに『そら、みたことか』と責めてはいけません。健康に対する考え方は、人生そのときどきによって変わります。健康は大事だけど、常に一番ではないかもしれない。でも今の世の中は、『不健康でもいい』とは言いづらい空気があります」

 ――たとえば?

 「たばこがいい例です。かつては成人男性なら吸って当たり前という雰囲気でした。それがこの20~30年で、とにかく悪で、できる限り排除すべき対象となりました。そこまで厳しくすることが、本当にいいことなのでしょうか。もちろん受動喫煙を防ぐなど、たばこが嫌な人の権利は尊重されるべきです。ただ、自分の体を傷めても太く短く生きたいという考え方も、同様に尊重されるべきです」

 ――でも、たばこの吸い過ぎは社会にとっても悪では。

 「確かにがんになるので医療費…

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