山本知佳
前夜の大雨のなごりか、暗い空から雨粒がぱらぱらと落ちてきていた。朝6時過ぎ。松井峯子さん(77)は古い一軒家の引き戸を開けて門まで歩き、郵便受けをのぞきこんだ。朝刊の下に、いつものように紙が1枚あった。
にじんだボールペンの字で「どしゃ降りですわ」と書かれていた。警察官が巡回したことを知らせるパトロールカード。そうね、昨晩は雨音がひどかった。それでも来てくれたのね。少し湿った紙を見つめ、笑みがこぼれた。
名古屋市中川区の松井さん宅にカードが届き始めたのは昨年12月。朝起きると、勝手口の窓ガラスの鍵穴あたりが割られていた。15年近い一人暮らしで初めての経験だった。
警察に届けると、細身の警察官…
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朝日新聞社会部