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 シャネルは、パリの歴史的建造物グランパレを会場に、観客を入れて2021年春夏コレクションを見せ、同時にデジタルでも配信した。同ブランドはこれまでもグランパレを会場にした凝った演出で知られ、巨大なロケットの模型を実際に発射させたり、波が打ち寄せる砂浜を作ったりしてきた。

 今回のショーでは、米ハリウッドの山に立つ有名な看板ハリウッドサインを思わせるブランド名の立て看板を設置。新作の服の数々は「映画女優」からイメージしたという。

 デザインは、ミックスツイードやカメリア(ツバキ)のコサージュなど、シャネルのアイコン的な素材やモチーフを使いながらも、いつもよりリラックス感やリゾート感のあるムードに仕立ててある。といっても、ホームウェア的なイージーな感じではなく、ジャケットはシャツのように軽く、ツイードのスーツはバミューダパンツと組み合わせるなど、カジュアル感を持ち込みながら、肩はしっかりと大きめなデザインが多い。タキシード風の襟がついたブルゾンなど「フォーマル」と「カジュアル」の掛け合わせも見られた。色は白、黒、ベージュ、ピンクなど。

 デザイナーは、近年は「モードの帝王」と呼ばれたカール・ラガーフェルドとヴィルジニー・ヴィアールの2人で担当していたが、ラガーフェルドが昨年2月に亡くなった後はヴィアールが単独で手掛けている。気負いのないデザインが新鮮だ。

 ヴィアールは、創始者のココ・シャネルとラガーフェルドが、映画や私生活で、数多くの女優たちの衣装を手掛けてきたことをあげ、「私たちを夢中にさせる女優たちのことを思い描いた。でも、単に再現したいと考えたのでもヴィンテージ風に再解釈したわけでもない。喜びにあふれ、カラフルで、活気に満ちたコレクションを追求した」とコメントした。(編集委員・高橋牧子)