拡大する写真・図版近鉄桑名駅改札口前にある「錯視サイン」。人が乗っているように見える=2020年10月8日午後、三重県桑名市、岩下毅撮影

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 床に貼られているのに飛び出て見える表示、独特の書体で手作りされた表示。東海地方で近鉄と地下鉄の駅にできた変わりダネの案内表示が「面白い」「びっくりした」とネットで話題だ。いずれも若手の発案で、狙い通りに「目立つ」存在となっている。

 三重県桑名市の桑名駅は、東西を橋で結ぶ自由通路(長さ約180メートル)が8月にできた。そこにある近鉄と養老鉄道の改札口前の床に案内表示のイラスト(1・2メートル×2・3メートル)が貼り付けられているが、離れると立っているように見える。

拡大する写真・図版近鉄桑名駅改札口前にある「錯視サイン」。この位置からでは文字も読めない=2020年10月8日午後、三重県桑名市、岩下毅撮影

 これは目の錯覚を利用した「錯視サイン」。近鉄によると、若手社員が採り入れたらどうかと発案した。同駅はJRも含め3路線が乗り入れ、改札口を間違えないようにしたいが、本物の案内板を通路に設置すると通行の妨げになる。錯視サインだと邪魔にならないうえ、珍しさから注意を引くこともできるのがメリットだ。

 錯視サインを利用した案内表示は、羽田空港国際線ターミナル駅(東京)で昨年1月、京急電鉄が全国の駅で初めて導入している。近鉄は、阿倉川駅(三重県四日市市)にも採用し、他の駅にも広げることを検討している。

異彩放つ「修悦体」

 名古屋市中区の地下鉄・上前津駅では、改札口周辺と通路の計15カ所で見られる案内表示が異彩を放つ。

拡大する写真・図版粘着テープを切り貼りして作った案内表示。「修悦体」と呼ばれる独特の書体が特徴=2020年10月5日午前10時52分、名古屋市の地下鉄・上前津駅、臼井昭仁撮影

 「3・4のりかえ」「鶴舞線 階段おりて右」「大須商店街」……。直線を基本に、文字の角に丸みがある「修悦(しゅうえつ)体」と呼ばれる書体で、市販の粘着テープで手作りされている。板に黒や黄色の粘着テープを切り貼りして文字や記号を描いた。修悦体は、2000年代に話題になった警備員の佐藤修悦さんが考案した。

拡大する写真・図版「鶴舞線 階段おりて右」。粘着テープを切り貼りして作った案内表示=2020年10月5日午前11時6分、名古屋市の地下鉄・上前津駅、臼井昭仁撮影

 市交通局によると、同駅の30代男性駅員が今年4月に作った。同駅は名城線と鶴舞線が交わり、客から乗り換えについて尋ねられることが多かったため、目を引くフォルムで自前でもできそうだと案内表示づくりに取り組んだという。

 ネットでは「迫力があって目立つ」「いい味している」との声が出ている。(臼井昭仁)

【動画】立体的に見える近鉄の案内表示と粘着テープで作った地下鉄上前津駅の案内表示=岩下毅、臼井昭仁撮影