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 静岡県裾野市は農地の有効利用のために山間部の耕作放棄地を衛星データをつかって探索するアプリを導入し、先月30日、現地調査を実施した。デジタル化で地域課題の解決を図ろうと今年度スタートした「スソノ・デジタル・クリエイティブ・シティ(SDCC)構想」の一環。

 市によると、農地として登録されながら実際は耕作されていない耕作放棄地は農家の後継者不足などで増加している。昨年度の調査では市内の農地約900ヘクタールのうち約15ヘクタールにのぼる。

 同市では、市農業委員会の21人の委員が巡回して耕作放棄地を探し、所有者に転貸先をあっせんするなど有効利用の方法を探っている。しかし、山間部などでは公道から見えにくい土地も多く、巡回には多大な時間と労力がかかるという。

 衛星データを使ったサービスを提供する企業「Sagri(サグリ)」(兵庫県丹波市)が開発したアプリ「ACTABA(アクタバ)」は衛星データとAIを活用して雑草が生い茂った放棄地と耕作されている農地を見分ける。衛星からの距離で植物の高さを判定し、季節によって高さが大きく変化すれば収穫期のある農作物であることが分かるという。市では、同社と協力し、このアプリの実証実験を兼ねた農地利用状況調査を8月下旬から始めている。

 この日は、同社の坪井俊輔社長や農業委員らが参加し、調査を実施した。実証実験は茨城県つくば市に次いで全国で2例目。早ければ、来年度にも本格導入される見通しという。

 SDCC構想は、トヨタが同市の工場跡地で進める最先端都市「ウーブン・シティ」の周辺整備を含め、九つの分野で計画されている。全国の事業者からアイデアを募集し、約230件の応募案から今回のアプリが初の採用事例となった。(六分一真史)