内山修
車載機器や音響機器の大手JVCケンウッドが、コロナ禍に「復活」への足掛かりをつかもうとしている。カギは、感染拡大や3密を避けるための「巣ごもり需要」と「マイカーの利用増」だ。江口祥一郎社長は朝日新聞のインタビューに「強みがコロナ禍で表に出てきた」と手応えを語った。
「家の中で過ごす時間が増えると、音楽を楽しみたいという需要は増える」
江口社長の言葉は、統計からも読み取れる。
電子情報技術産業協会によると、オーディオ関連機器の国内出荷額は6月、昨年11月以来、7カ月ぶりに前年同月を上回った。背景にはヘッドホンやスピーカーなどの好調な売れ行きがある。いずれも出荷台数は今年6月から3カ月連続で前年同月を上回っている。
JVCケンウッドでも今春以降、ステレオ機器の出荷台数が2~3倍に増えたという。江口社長は「決して一過性ではない」と話す。自信の裏には、音響事業へのこだわりがある。スタジオで録音した「原音」を忠実に再現するのが、同社ならではの特徴だという。
JVCケンウッドの前身のひとつであるトリオはかつて、山水電気やパイオニアと並んで音響機器の「御三家」と呼ばれた。しかし、配信された音楽をスマートフォンで聴くスタイルの台頭に押され、山水は2014年に経営破綻(はたん)。パイオニアも15年に音響事業を手放した。
一方、生き残ったJVCケンウ…
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