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 「核のごみ(原発から出る高レベル放射性廃棄物)」の最終処分場をめぐり、神恵内村の高橋昌幸村長は9日、国の選定プロセスの第1段階の「文献調査」を受け入れると表明した。問題が9月中旬に表面化してから約1カ月。村と国はまるでタイミングを計ったかのように、調査に向けた手続きに動いた。(原田達矢、佐久間泰雄、斎藤徹)

 9日午後1時半過ぎ、経済産業省の小沢典明首席エネルギー・地域政策統括調整官が東京から村役場を訪れ、文献調査の実施を求める梶山弘志・経産相名の申入書を高橋村長に手渡した。その後会見した高橋村長は「文献調査を受け入れる」と表明。村は処分場選定プロセスに足を踏み入れた。

拡大する写真・図版「核のごみ」最終処分場選定に向けた文献調査の申入書を経産省の小沢典明総括調整官から受け取る北海道神恵内村の高橋昌幸村長(左)=2020年10月9日午後、神恵内村

 先行して文献調査への応募検討を表明した寿都町の片岡春雄町長が応募に前向きな姿勢を示す一方、高橋村長は問題の表面化後も、自らの見解を明確には示してこなかった。

 村商工会が9月8日に応募検討を求める請願を村議会に出し、村議会で継続審査を経て請願が10月2日に委員会採択された後も、「議会の決定を尊重する」とだけ発言。8日に本会議で採択され、同日に寿都町の片岡町長が応募を表明するなかでも、「少し時間をいただきたい」と応募表明はしなかった。

 態度を保留する中、背中を押すかのように国が動いた。そして満を持したかのように受け入れを表明。9日午後4時からの会見ではその理由を語った。「(隣接する泊村にある北海道電力)泊原発と歩んできた村として核燃料サイクルを完結させることに責任を持たなければならない。原発は『トイレなきマンション』と言われるが、トイレをつくらなくてはならない」

 寿都町と異なり、なぜ国からの申し入れを受ける形になったのか。経産省関係者は、寿都町の応募検討が明らかになった後の8月下旬、こう語っていた。「今は寿都町長が一人で矢面に立っている。我々も状況を変える手助けがしたい」。まだ神恵内村での動きが表面化する前のことだ。

拡大する写真・図版2町村の地図

 高橋村長は9日の会見で「私の方から申し入れをしてほしいとは言っていない。8日の議会の議決(採択)を受け、国が受け入れをしてほしいなという思いで今日おいでになられた」と述べた。そのうえで、議会での請願採択や住民説明会の反応、国の申し入れの「三つ」が判断の理由だと強調した。経産省側も、申し入れは村議会の請願採択後の8日夕に決めたとし、「国として主体的に判断した」としている。

 村は泊原発の立地地域として交付金を受け、村内では文献調査による2年で最大20億円の新たな交付金への期待もある。寿都町のような反対派の動きも目立たない。それでも約1カ月での「スピード決着」に、村内では「手際が良すぎる」との声がくすぶる。高橋村長は11日、決断に至った自らの思いを改めて村民に伝える報告会を開くという。

拡大する写真・図版「核のごみ」の最終処分場選定プロセスの文献調査の受け入れ表明後に会見する、北海道神恵内村の高橋昌幸村長=2020年10月9日午後、神恵内村

 2町村の「文献調査」は今後ど…

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