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 福岡県柳川市の料亭旅館「柳川藩主立花邸 御花」で9日夜、移住に関するパネルディスカッションが開かれた。新型コロナウイルス禍で首都圏などから地方への移住機運が高まっているいま、「どうすれば転職を伴う移住を成功させられるか」がテーマ。移住した側と受け入れた側、双方の体験談が披露された。

 主催は首都圏から九州への転職・移住をサポートする人材紹介会社「YOUTURN」(福岡市)。同社の中村義之社長(36)と、企業コンサルタント業の長谷直達さん(32)、御花社長の立花千月花さん(48)がパネリストを務め、比較的最近、九州に移住した約20人が参加した(一部はオンライン参加)。長谷さんは1年余り前に東京から熊本市へ移住。立花さんは4月に2人の移住者を社員として採用している。

 立花さんは2人の雇用効果について「オペレーション(作業手順)を最優先して宿泊プランやイベントを考える私たちからは絶対に出てこない面倒な提案を次々としてきた。最初は異分子だなと思ったが、実行してみると、お客様の満足度は非常に高かった」と紹介。2人がパソコンやスマホを使った社内の情報共有を進めた結果、「部署が違っていても、私は聞いていないという人がいない環境をつくれた」とも語った。

 長谷さんは、移住生活が成功した要因を「移住後、東京の知人が次々とこちらの人を紹介してくれ、その人がまた誰かを紹介してくれるという形で輪が広がったこと」と分析した。また、首都圏とは習慣や文化の異なる移住先で転職を成功させるには「(会社を良い方向に変えたいという)同じ志を持つ仲間を一人ずつ増やすこと」と語った。

 こうした体験談を受け、中村さんは移住成功の秘訣(ひけつ)として「郷に入れば郷に従いつつも、そこに新しい風を吹かせてほしい。都会での経験を生かし、健全なよそものであり続けてほしい」とアドバイスした。

 内閣府の6月の調査では、20代で、東京圏の27・7%、東京23区内の35・4%が「新型コロナの影響下で地方移住への関心が高くなった」または「やや高くなった」と回答。コロナ禍が若い世代の都会住民の移住への関心を高めていることがうかがえる。(森川愛彦)

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