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 新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されるなか、医療者が患者をオンラインで診る診療と服薬指導の体制づくりをめざす取り組みが、愛知県蒲郡市内で始まる。院内感染を防ぐねらいで、患者の需要やオンライン連携の有効性などを実証実験する。

 実験に参加する蒲郡市と市医師会、市薬剤師会、中部テレコミュニケーション(ctc)の4者が10日、連携検証の協定を結んだ。期間は11月~来年3月末。実験に必要な通信環境は、光通信事業を手がけるインターネット企業のctcが無償で整える。

 検証では、タブレットなどを通じて受診を申し込んだ患者から、医師がビデオ通話で症状などを聞き取り、処方箋(せん)をファクスで薬局に送る。薬局の薬剤師はビデオ通話を使って患者に服薬指導する。診療代や薬代はオンライン決済し、薬を配送する仕組みも別途検討する。市もビデオ通話で保健指導する。

 蒲郡市民病院の情報システム構築に携わった経緯などから、今回の検証を提案し、新型コロナ対策として市が応じた。通信環境が未整備な医療機関や薬局にタブレット端末を無償で貸し出す。「4者による検証は全国初」という。

 オンライン診療は「特例」として初診から認められた。政府が「恒久化」に意欲を示す一方で、医師会側からは「病状が正確に判断できない」などの声がある。市医師会が会員の45機関に事前アンケートをしたところ、積極的なのは2割ほどだった。近藤耕次会長は「通信環境を整えてくれるなら進めたいという声も多く、使い方を模索したい」と話す。市薬剤師会も、所属する46薬局のうち参加する薬局は未知数という。

 今回の検証では、「対面診療や検査が必要」と医師が判断すれば来院してもらうほか、来院予約に限ったオンライン使用や、医療機関の駐車場でオンライン診療するドライブスルー方式も検討する。ctcは検証に参加する市民100人にタブレット端末を無償貸与する計画で、今月下旬から募集を予定している。(本井宏人)