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 バレンシアガは2021年夏プレコレクションを映像で配信した。主にユニセックスのアイテムを着た男女のモデルが、暗いパリの街をサングラスをかけて闊歩(かっぽ)するという設定。通常であれば、ファッションウィークで大勢のファッション関係者が急ぎ足で歩き回るパリのリボリ通りやコンコルド広場、セーヌ川沿いなどでロケされた。

 新作は、部屋着やストリートウェアをバレンシアガらしいボリューム感や意外性のある素材使いで再構築したものが多い。ぶかぶかのライン入りのトラックスーツやシルクのパジャマスーツ、半身を光沢のあるフォーマルな生地で仕立てたスウェットパンツなど。Tシャツの胸には、地球が「アイ・ラブ・ユー」と言っている、子供が描いたような絵や、溶けかかったような表情のスマイルマークなどユニークなモチーフがのせられた。

 ブランドによると、このコレクションに使用された無地の素材の9割以上がサステイナブル(持続可能)の承認を得たか、アップサイクル(廃材を単に再利用するリサイクルではなく、新たな価値を加えて生まれ変わらせること)されたものだという。

 背景に流れる音楽は、カナダ出身のロック歌手コリー・ハートの「Sunglasses at Night」のカバー曲。サングラス姿で夜の街をひたすら歩くモデルの姿とあいまって、コミカルで軽快なイメージを作っている。デザイナーはジョージア出身のデムナ・ヴァザリア。(編集委員・高橋牧子)