編集委員・伊藤智章、土井良典、角拓哉
「午前4時はんセンターでねていたら、すごい雨で水がいになりました」
「へやのなかに水が入ってきました……テレビでニュースを見ていたら、いきなり停電」
「お昼ごはんは、カンパンとぎゅうにゅうとこおりざとう」
20年前の作文が、愛知県立名古屋特別支援学校に残っている。隣にある現在の愛知県青い鳥医療療育センターで暮らしていた、肢体不自由の子どもたちが書いたものだ。
山田元子(53)は、子どもたち34人を担当する保育士だった。=文中の敬称は略します
あの夜、センターは1・2メートルの水につかった。
「これ、本当なの?」
茶色い水をかきわけ、腰まで水につかりながら出勤した山田は、職場の被害に目を疑った。現実とは思えなかった。
7カ月前の2000年2月に全…
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