【アーカイブ】(探)筒美京平、ヒットの構造 洋楽を日本風に昇華 手がけた作品2800曲
河村能宏
【2013年12月4日朝刊31面】
昭和を代表する作曲家、筒美京平さん(73)の作品が色あせない。12月にはCDボックス「筒美京平HITSTORY」が9枚入りになって復刻。テーマ曲を手がけたアニメ「サザエさん」のサントラ盤も発売される。活動40年を超える希代のヒットメーカーに、創作の秘密や音楽界の現状を尋ねた。
「また逢う日まで」「木綿のハンカチーフ」……。1960年代末から活動を始め、手がけた楽曲は約2800曲。シングルの総売り上げ枚数は7千万枚を超え、作曲家別で歴代1位(オリコン調べ)だ。
特徴は、洋楽ポップスの要素を歌謡曲に取り入れ、日本風に昇華させた点にあるとされる。本人も、影響を受けた音楽家は「海外作家が多く、バート・バカラックやポール・マッカートニーなど」と答えた。
数多く多様なヒット曲を残せた裏には、「レコード会社のプロデューサーとのタッグチーム的な仕事が全てだった。レコード会社、プロダクション側の要求に応え、はげしい競争があった」と振り返る。
一方、近年のヒット曲につい…