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 10月19日は、10(トウ=父さん)、19(イク=育児)の語呂合わせで「イクメンの日」。1児の父親でもある記者(40)は、子育て世代の多くの親と同じように、仕事と家庭の両立に葛藤しています。一方で、負担の偏重に苦しむのはいまだに女性が多いことを考えると、父親のモヤモヤを吐露することにブレーキをかけがちです。

 「イクメン」が新語・流行語大賞のトップ10入りを果たしてから10年。著書で男性の「特権」の問題を提起した文筆業の清田隆之さん(40)と、「イクメン」という言葉の提唱者の一人である東レ経営研究所特別研究員の渥美由喜(なおき)さん(52)の2人に、男性育児の「現在地」についてインタビューしました。(高橋健次郎

男が「話を聞かない」「すぐ不機嫌になる」理由

《文筆業・清田隆之さん(40)》

――清田さんは、著書『さよなら、俺たち』の中で女性の負担に触れ、男性「特権」について指摘しています。間もなく1歳になる双子の父親でもあります。父親として、葛藤を語っていいのか、どう語るのかということをお伺いしたいです。まず、なぜ男性「特権」を指摘されるのでしょうか。

拡大する写真・図版双子の父親でもある清田隆之さん

 「『恋バナ収集ユニット』を掲げる『桃山商事』で、人々の失恋や恋愛相談に耳を傾けてきました。立ち上げは、大学在学中の2001年です。相談に訪れるのは異性愛者の女性が多く、彼氏や夫、アプリで知り合った人など、男性にまつわる話題が中心になります。そこに登場する男性は、人の話を聞かなかったり、すぐに不機嫌になったり。最初は『あるある』ネタとして聞いていましたが、同じような言動が量産される背景には、構造的な問題があるだろうと思うようになったのです。そこで突き当たったのが、男性『特権』の問題でした」

 「僕自身にも当てはまります。30代のはじめに失恋をしました。同い年だった恋人は、出産や住まい、将来的な家計をどうしていくかなど、様々なことを視野に結婚のことを考えていました。一方の僕は、マジョリティーの男性にありがちというか、とにかく仕事のことばかり考えていた。『自分のことだけに集中できる』ということにも特権的な側面があって、無自覚だった自分を振り返り、ぞっとする気持ちになりました」

――そうした男性の行動と「特権」とは、どう結びつくのでしょうか。

 「『特権』というと、『恵まれた人』や『偉い人』だけにもたらされるイメージがあると思いますが、実態はおそらく違うはず」

 「例えば女性は、生理によって毎月体調が変動します。妊娠や出産の時は、おなかの命と自分の命を気にしながら慎重に生きることを余儀なくされます。仕事もセーブせざるを得ない。夜、コンビニへ買い物に行く時、襲われるかもしれないという恐怖心を抱く人もいる。ある知人は、一人暮らしの自宅のドアを開ける瞬間、部屋に暴漢がひそんでいたらと、毎回心臓が張り裂けそうになっていたそうです」

 「多くの男性はそうした問題を…

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