[PR]

 大分県宇佐市の県立宇佐産業科学高校が、農場運営の収入源として青パパイア栽培に取り組んでいる。今年は昨年以上に多くの実をつけ、8日から収穫が始まった。課題はなじみのない野菜ゆえの販売先さがし。学校は調理や加工に使ってくれる飲食店や業者をさがしている。

 学校敷地内の温室では、昨年春に苗を植えた青パパイアが高さ3メートルほどに成長し、多い木で100個を超える実をつけている。大きなもので長さ28センチ、重さ2・5キロもある実を、グリーン環境科の生徒5人がはさみで切り取った。

 世話をしてきた3年の井上芽依(めい)さん(18)は「初めて収穫した去年に比べて量も大きさもすごい」と驚いていた。

 パパイアは、熟すと果肉がオレンジ色で甘い香りとねっとりした食感が特徴の南国果実。ただ、九州でも完熟させるためには温室内で灯油をたく必要があり、経費がかかりすぎる。

 このため、完熟させずに野菜として育てる試みが各地で始まっている。青パパイアは独特の食感があり、炒め物やサラダなどに使われる。また、スキンケア商品などに使われるパパインと呼ばれる酵素をもつ。県の農業系高校の発表会で青パパイアを取り上げた3年和泉飛空(とあ)君(18)は「ほかの野菜や果物に比べて栄養価がとても高い」と話す。

 青パパイア栽培の主な目的は収入の確保だ。県内の農業系高校は農場運営の経費をほぼ自前でまかなわねばならない。同校の場合、子牛を産ませたり、果樹を育てたりして年間約1千万円の収入をあげ、肥料購入費や電気代などに充てている。しかし、2018年度に校外にある2・2ヘクタールの果樹農場が生徒数の減少などのために閉鎖に。新たな収入源として別の農場にミカンの木約100本を植えたが、収入を得るにはあと2、3年かかるという。

 そこで目をつけたのが青パパイアだ。植えつけから収穫まで時間がかからないうえ、病害虫に強く手間がかからない。18年から露地栽培とハウス栽培で試行錯誤を重ね、いまは3本が多くの実をつけている。

 課題は販路だ。昨年は文化祭などで71個が完売し、2万1千円の収入があった。しかし、今年はコロナ禍で文化祭での販売ができなくなった。代わりに校内の農場販売所で1個300円で販売する。

 指導する幸松(こうまつ)昌則教諭(55)は「販路を考えるなど生徒たちには農業経営の勉強になっている。将来は一般の農家にも広まり、宇佐の特産品に成長してくれたら」と期待する。

 販売の問い合わせは同校(0978・32・0044)へ。(大畠正吾)