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 障害のある人の描いた絵をオフィスや学校、病院などに貸し出す「アートシェアリングサービス」を佐賀市の事業所が始めた。定額制で、3カ月ごとに作品を入れ替える。関係者は「手軽に多くの人に楽しんでもらいたい」と願う。

 取り組むのは、佐賀市鬼丸町の就労継続支援B型事業所「ジーニアス」。精神障害などがある20~60代の9人が利用している。午前中は清掃などの仕事をして、午後は自由に絵を描いたり、立体作品を作ったりしている。

 事業所では、アートも仕事として収益化し、利用者の収入増につなげることをめざす。7月には、カラフルなイラスト作品をTシャツや子供服にして、オンラインで販売。完売の商品も出るなど好評だった。

 作品の貸し出しサービスは10月に始めた。管理者の西村史彦さん(34)は「購入はハードルが高くても、定額制のレンタルなら手軽で場所も取らない。作者の収入の安定にもつながる」と期待する。

 9月には試験的に市内のこども園の入り口に作品を置いた。アクリル絵の具を使い、緑やオレンジの柔らかな線で「肥前こま犬」を描いた、抽象的な絵画。子供たちはすぐに反応し、「これは何だろう」「おサルさんかな」などと話していたという。・病院に

 佐賀市本庄町の「Sagan歯科・こども歯科」も治療室などに飾りたいと利用を決めた。池田達彦院長(40)は「歯医者に苦手意識や恐怖心を持つ人もいる。清潔感があって、心が和むような作品を置きたい」と話す。

 貸し出す作品には作者についての説明書きを添える。「バスと電車とラーメンが大好き」「統合失調症があるが、絵を描くときだけは頭痛や振戦(震え)がピタリと止まる」――。西村さんは「作品と一緒にアーティストのことも好きになって、応援してもらえたらいい」と話す。

 作品は大きさなどに応じて月2千~5500円で貸し出す。額装などの経費を除いた約7割の金額が作者に支払われるという。問い合わせは事業所(090・8220・5791)へ。(福井万穂)

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