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 タケノコ掘りに訪れた近隣住民によって円筒埴輪(はにわ)2体が抜き取られた国史跡の大塚山古墳(奈良県河合町)。抜き取りが発覚した4月末以降は立ち入り禁止となっていたが、町教育委員会は12日に見学者への注意を記した看板を設置。立ち入り禁止を解除した。

 今回設置された看板は前方後円墳をかたどったもの。「古墳見学にあたって注意」として、「こわさない」「持ち帰らない」「掘らない」「火遊びしない」「いつもきれいに」と五つの注意事項を掲載した。

 設置箇所は、東側の登り口2カ所と西側の入り口付近1カ所の計3カ所。看板は、町教委と、西和署管内の自治体で作る西和地区防犯協議会が作製した。全国地域安全運動(11~20日)の一環だという。

 看板の設置に伴い、西和署は、県警の文化財保安官立ち会いのもとに古墳の状態を点検した。その後、立ち入り禁止のロープが解かれ、復旧された現場に敷かれていたシートも外された。

 町教委の吉村公男生涯学習課長は「200メートル級の古墳で自由に出入りできるのは珍しい。マナーを守った上で親しんでほしい」と語った。県警の上谷賢治文化財保安官は「大切な国の宝。みんなで守っていきましょう」と呼びかけた。

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 町教委などによると、大塚山古墳は5世紀後半に築造された全長197メートルの前方後円墳。当時の有力者の墓とみられる。ほかの七つの古墳とともに1956年に国の史跡に指定されたが、大塚山古墳は自由に立ち入りできた。古墳でのタケノコ掘りは禁止されているが、地元の人たちは慣例でタケノコ掘りをしていたという。

 町教委が抜き取り被害を覚知したのは4月27日。古墳見学に訪れた男性から後円部と前方部のくびれ付近に穴が二つあると連絡があった。町教委は28日から古墳を立ち入り禁止にし、5月中に埴輪の埋め戻し作業を行った。

 町教委が6月3日に盗掘と発表すると、地元の保護者が学校に連絡し、学校が町教委に届け出た。町教委の調査では、別の保護者と子ども、その友人ら数人でタケノコ掘りに訪れ、埴輪の破片を持ち帰った。その後、子どもたちだけで再び古墳で埴輪を掘り出し、ばらばらの状態で持ち帰るなどし、接着剤で組み立て現場に戻すなどしていたという。(米田千佐子)

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