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 大阪医科薬科大(大阪府高槻市)でアルバイトの秘書として働いた女性が正職員との待遇格差について訴えた訴訟の判決で、最高裁第三小法廷(宮崎裕子裁判長)は13日午後、賞与(ボーナス)がない労働条件について「不合理とまで評価することはできない」と判断した。正職員の6割のボーナス分など109万円の賠償を命じた大阪高裁判決を変更し、原告側の上告を退けた。

 原告は50代女性。薬理学教室で2013年1月から2年余り、フルタイム(時給制)で教授らの日程管理や来客対応などをした。同じ仕事をする正職員の秘書に支給されるボーナスがないことや本給の格差などは労働条件の不合理な違いを禁じた労働契約法20条(18年6月成立のパートタイム・有期雇用労働法に移行)に反するとして、15年8月に提訴。差額賃金など1175万円を求めた。

 18年1月の大阪地裁判決は、ボーナスは賃金の一定割合をまとめて支給するもので、正職員の長期雇用を確保する「インセンティブ(動機付け)」の意味があると指摘。アルバイト職員に同様のインセンティブは想定できず、「金額の算出も難しい」と述べ訴えを全面的に退けた。

 これに対し19年2月の高裁判決は、「ボーナスには働いたこと自体への功労の趣旨もある」と判断。長期雇用を前提としない月給制の契約職員には正職員の8割にあたる額を支給していたことに言及し、少なくとも6割を払わなければ「労働条件の不合理な違い」にあたるとした。

 第三小法廷はボーナスの支給について、女性と大学の双方の上告を受理した。

 今年9月の弁論で法廷に立った女性は「秘書としての仕事は正職員と同じ責任のある仕事だった。差別されてきた非正規労働者に希望の光を」と訴え、大学側は「登用試験で契約社員、正社員になれた。その手続きを経ずに同じ待遇にしろというのは経営への著しい介入だ」と主張していた。(阿部峻介)