オハイオ州デラウェア=藤原学思
拡大するエリザベス・チャパさんが育った住宅街では、ピックアップトラックや星条旗が多く見られる=2020年8月20日、オハイオ州デラウェア、坂本真理氏撮影
ニューヨークから飛行機で2時間弱。オハイオ州都コロンバスの空港から40分ほど車を走らせると、チャパさんの実家がある同州デラウェアに到着する。
通りの両側には、均質な2階建ての住宅が70軒ほど並ぶ。四半世紀ほど前、一斉に開発されたエリアだ。木々と郵便ポストが等間隔に並び、庭には子どものプールやバスケットゴールが置かれる。米国旗を掲げる家も多い。
2年前の夏、近くの高校にトランプ大統領がやってきた。下院補選に立候補した、共和党候補の応援演説のためだった。
1500人の聴衆がスマートフォンや帽子、あるいは拳を掲げるなか、トランプ氏はこう話した。
「米国で忘れ去られてきた男性、女性は、もう忘れ去られてなどいない。あなたたち(You)は懸命に働き、税金を払い、様々なことをやってきた。それなのに、忘れ去られていた。あの人たち(They)は忘れ去っていたのだ」
拡大するジェームズ・アリシーさんの職場兼自宅には、自動車の修理工としての仕事道具が置いてあるが、多くがほこりをかぶっていた=2020年8月19日、オハイオ州デラウェア、坂本真理氏撮影
あなたたちと、あの人たち――。会場にいたジェームズ・アリシーさん(62)は「あなたたち」の1人として、深くうなずいた。
「トランプ大統領が当選するまで、私はずっと忘れ去られた男だった。そうじゃないと感じられる大統領は彼だけだ。私たちは、ようやく国民のための大統領を選んだんだ」
アリシーさんはこの日を境に、…
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朝日新聞国際報道部