ワクチン治験、J&Jが中断 「説明つかない病気出た」
新型コロナウイルスのワクチン開発について、米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が最終段階に入っていた臨床試験(治験)を一時中断したことが12日、明らかになった。米医療メディアSTATが報じた。J&Jは「説明のつかない病気が参加者に出たため、全ての治験で参加者への接種を一時中断した」との声明を発表した。
同社は、9月末に米国などで最大6万人を対象とした最終治験を始めた。参加者を登録するオンラインシステムは閉じられ、データと安全性を監督する独立委員会が検証しているという。J&Jは「説明できない病気」の詳細を公表していない。
ワクチンの治験が一時中断することは珍しくない。9月初めには、英アストラゼネカが開発するワクチンでも英国の参加者に神経系の症状が出て中断したが、1週間ほどで再開した。一方、米国ではアストラゼネカのワクチンの治験はまだ止まったままだ。
J&Jのワクチンは、米国内で最終治験段階にある四つのワクチン候補の一つ。多くのワクチンが免疫効果を得るために2回の接種が必要だが、J&Jのワクチン候補は1回の接種で効く可能性がある。2021年中に世界で10億回分を供給する目標を掲げている。日本でも9月に初期段階の治験が始まっている。(ワシントン=香取啓介)
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