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 山口県の温泉施設「おんせんの森」(山口市湯田温泉)で先月、休憩スペースにあった人気漫画「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」が持ち去られた。施設側が被害をSNSに書き込んだところ、全国から善意の寄付が相次いだ。

 同施設の梅林威男取締役によると、休憩スペースには約2千冊の漫画が置かれている。ところが、9月25日に「鬼滅の刃」の1~20巻の計20冊がなくなっているのに気づいたという。

 梅林取締役は「警察に連絡して大ごとにはしたくなかった。この漫画を読んでいる人には、まっすぐな生き方をしてほしい、と。必ず返ってくると信じている」。そんな願いを込め、ぽっかり空いた本棚の画像とともにツイッターに「誰かが道を踏み外しそうになったら皆で止めような」などと書き込んだ。

 すると、今月2日までに、東京や広島、鹿児島など全国から計7箱の段ボールが届いたという。中には、20冊だけではなく、最新刊や特別版の単行本を寄付してくれた人も。10日現在で190冊が届いた。持ち去った人からは、今のところ連絡はないという。

 思わぬ反響に、梅林取締役は「全国から寄付が届き、人の温かみを感じた。SNSの力を垣間見ることができました。持って行った人には、今からでもこっそり返してほしい」と話している。(野田枝里子)