新型コロナウイルス対策で始まったオンライン授業はキャンパスの風景を一変させた。多くの大学が後期も授業や活動に抑制的だ。オンライン中心の青春で失われるものは少なくない。
トミヤマユキコさん(東北芸術工科大学講師)
私は複数の大学で教えていますが、後期に入り、対面授業が再開して学生と話す中で、学生生活のオンライン化が彼らに与えている影響の大きさを実感しました。
その一つが対人関係で、例えば恋愛的なコミュニケーションをどう取るか、の問題があります。コロナ前から、恋愛に消極的な学生と積極的な学生は二極化していましたが、出会いの場所が減っている事態が、二極化をさらに進めているように見えます。
恋愛は失敗する確率の高いリスキーな行為であり、コスパ(労力に対する満足度)が低い、といった感覚を持つ学生は少なくありません。彼らはもともと、友達づきあいや趣味などで自分の生活を充実させています。
しかし、キャンパスで友達と話せば、どうしても「恋愛は楽しいよ」とか「やはり恋人はいた方がいい」といった余計な世話を焼かれてしまう。
ですから、オンライン化で友…

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