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 昨年7月の参院選をめぐり、公職選挙法違反(買収)の罪に問われた参院議員の河井案里被告(47)の公判が13日、東京地裁であった。検察側は、案里議員の夫で元法相の衆院議員・克行被告(57)が地元議員に現金を渡した際の会話の録音データを再生し、克行議員が「これ気持ちですから」と言っていたことを明かした。

 検察側証人として出廷した海徳(かいとく)裕志・広島市議(60)によると、2019年に現金計50万円を2回にわたり克行議員から受け取った。海徳氏は2度目の現金提供のやりとりを録音した。法廷で再生された音声によると、克行議員は「克行は嫌いかもしれんけど、案里はかわいがってくださいよ。助けてくださいよ」と笑いながら話していた。帰り際に現金入り封筒を渡してきたという。

 海徳氏は録音した理由について、克行議員から「過去に恫喝(どうかつ)されたから」と説明。この後、案里議員が法廷で突然泣き出し、海徳氏に「主人のご無礼を許してください」とわびる場面もあった。また、録音していなかった1度目の時は、克行議員が「総理から」と言って封筒を差し出したという。海徳氏は「総理から地方議員に陣中見舞いがあるとは思えない。参院選の票集めの依頼だと感じた」と述べた。

 この日は、法廷と広島地裁をモニターでつなぎ証人尋問を行う「ビデオリンク」もこの公判で初めて活用された。高山博州(ひろくに)・広島県議(67)は、「頼むから持って帰って下さい」と克行議員から受け取った現金入り封筒を案里議員のカバンに入れたが、案里議員が「まあまあ」と封筒を机の上に置いて帰ったと証言した。(新屋絵理、松島研人)