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 非正社員と正社員の待遇格差をめぐる2件の裁判で、最高裁第三小法廷が13日、それぞれ判決を言い渡した。原告側は正社員と同じ仕事なのに賞与(ボーナス)や退職金がないのはおかしいと訴えたが、最高裁はいずれも「不合理とまで評価できない」と判断。一部の支給を認めた高裁判決を一転させた。対象となった職場の事例に限った判断だが、退職金・ボーナスの支給を認めない結論が確定した。

 通勤手当など「諸手当」の支給を認めた2018年の最高裁判決に続き、退職金・ボーナスの支給の是非が問われた訴訟だった。

 退職金が争点となった裁判は、東京メトロ子会社「メトロコマース」(東京都台東区)の契約社員だった66~73歳の女性4人が起こした。約10年にわたり駅の売店で働いたのに退職金が出ないことは、正社員との不合理な労働条件の違いを禁じた労働契約法20条(今年4月からパートタイム・有期雇用労働法に移行)に反すると訴えた。

 第三小法廷(林景一裁判長)は、原告らと売店の正社員の仕事は「おおむね共通する」としつつ、正社員には、欠勤などでいない販売員に代わって働く役目や、複数の売店を統括するエリアマネジャーに就くこともあったと指摘。仕事や責任に一定の違いがある上、登用試験で正社員になる道もあったと述べた。

 さらに同社の退職金には「正社員としての職務を遂行しうる人材の確保」を図る目的があるとして、労働条件に差を付けることは「不合理といえない」と判断。正社員の退職金の25%にあたる賠償を命じた東京高裁判決を変更し、住宅手当などの支給を認めた部分だけを維持した。

 裁判官5人のうち4人の多数意見。学者出身の宇賀克也裁判官は反対意見を出し、「退職金は継続的な勤務への功労報償という性質も含み、契約社員にも当てはまる。仕事内容に大きな違いもなく、労働条件の違いは不合理だ」と述べた。

 ボーナスが争点となった裁判の原告は、大阪医科薬科大(大阪府高槻市)でアルバイトの秘書として働いた50代女性。薬理学教室で13年から2年余り、フルタイムで教授らの日程管理や来客対応などに携わった。

 第三小法廷(宮崎裕子裁判長)は、正職員は学術誌の編集や病理解剖をした際の遺族対応などもしていたと指摘。配置転換の範囲も違い、契約職員や正職員へと登用する制度もあったと述べ、ボーナスゼロは違法と言えないと判断した。正職員の60%は払うべきだとしていた大阪高裁判決を変更し、特別休暇に関する一部の賠償を認めた部分だけを維持した。裁判官5人の全員一致の結論。

 両訴訟の原告らは判決後、「不…

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