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 香川県内で初めての身体障害者野球チームが10月末に発足する。大けがを乗り越えて社会復帰した元プロ野球選手が企画し、メンバーを募集している。野球や障害者スポーツの経験がない人にも、まずは魅力にふれてもらおうと、四国のチームから選手を招いた体験会を31日に催す。

 身体障害者野球は、生まれつきや事故、病気などで体が不自由な人が対象。基本的に軟式野球と同じルールだが、全力疾走できない人の打席では「打者代走」を認めたり、盗塁を禁止したりする特別ルールがある。日本身体障害者野球連盟には現在、29都道府県の37チームが登録。四国では徳島、愛媛、高知に1チームずつある。

 香川でチームをつくろうと立ち上がったのは、丸亀市体育協会の職員で、広島カープの選手だった山中達也さん(31)。丸亀城西高校から左腕投手として2006年に育成ドラフト1位で指名され、10年まで広島でプレーした。

 翌年には、独立リーグの香川オリーブガイナーズに入ったが、遊びで海に飛び込んだ際に首を粉砕骨折し、頸椎(けいつい)も損傷。首から下が動かせず、医師からは生涯の車いす生活を覚悟するよう言われた。それでも、「もう一度野球がやりたい」とリハビリを続け、ガイナーズに練習生として復帰した。

 結局、試合には出場できずに引退したが、レクザムボールパーク丸亀(丸亀市)のグラウンドキーパーを経て、球場の指定管理を担う体育協会職員として勤めている。

 障害者野球との出会いは2年前。「徳島ウイングス」の選手と交流を始め、練習にも参加した。「障害を抱えながらでも、必死にボールに食らいつく姿が素晴らしかった」。ぜひ地元にもチームを、と動き始めた。

 連盟へのチーム登録には、身体障害者手帳を所持するなど条件を満たす12人以上が必要。年齢や性別は問わない。山中さんは身体に不自由が残るものの手帳がないため、選手登録はできないが、指導者として関わる。

 仲間を増やそうと企画した31日の体験会には、試合を控える愛媛のチームを除き、徳島と高知の2チームから10人程度の選手を招く。午前はキャッチボールやティーバッティングを体験してもらい、午後は選手と参加者で交流試合をする。障害のない人も参加できる。

 山中さんは「実際に見てもらえたら魅力が伝わると思う。障害者スポーツに挑戦するきっかけにもなれば」と話している。少人数からでもチームを立ち上げ、同球場を拠点に練習を始めるという。

 問い合わせは球場内の市体育協会(0877・35・8200)へ。(多知川節子)

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