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 おなかの中の赤ちゃんをオンライン診療できる装置を、高松市のベンチャー企業「メロディ・インターナショナル」が開発した。医療環境が整っていない途上国の胎児や妊婦の命を守ろうと、ICT(情報通信技術)を活用した周産期の遠隔診療が広がりつつある。

 装置は手のひらサイズで、ピンクと水色のハート形。妊婦が自宅で腹部にあてて使い、ピンクは胎児の心拍数、水色は母親のおなかの張り具合をそれぞれ計測する。その数値が病院の医師のタブレットやスマートフォンの画面に映し出される仕組みで、日本語のほか、英語やタイ語など多言語に対応している。

 心拍数を測る装置はスピーカーも付いていて、おなかに耳を当てられない妊婦が胎児の心臓の音を聞いて安心感を得られるという。

 メロディ社は2015年の設立で、医療機器の製造や販売を手がける。17年に香川大と共同で、この装置「プチCTG」を開発。タイ北部のチェンマイの病院で試験的な導入を始めた。

 開発に携わったCMO(取締役最高マーケティング責任者)の河野弘就さん(52)は「(途上国は)停電がよく起き、日本にあるような分娩監視装置は使えない。この装置はバッテリー式なのでインフラ設備が整っていない地域でも使える」と話す。

 都市部から離れた地域に住む妊婦が専門医の診療を受けられ、触診で状態を確認していた地域でも、数値化したデータで判断できるようになったという。日本でも中山間地や離島での活用を想定している。

 9月には国際協力機構(JICA)が民間企業の途上国進出を支援する「中小企業・SDGsビジネス支援事業」に採択された。現在、チェンマイの25の公立や大学病院で導入されているタイのほか、ラオスと南アフリカの計3カ国で使用されている。カンボジアやブータンでも10月中に導入される予定で、ミャンマーでは市場調査を進める。

 河野さんは「現地の医療に携わる人たちのスキルアップにもつながる。医療格差をなくし、救える命を増やしたい」と話す。(石川友恵)