「古代東海道」を歩こう 稲敷市、史跡散策の催し

佐藤清孝
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 古代の道を歩きませんか――。茨城県稲敷市が11月、奈良時代に都と常陸国(茨城県)を結び、市内に残る「古代東海道」を目玉にした史跡めぐりを催す。当時の面影をとどめる直線道路のほか、信太(しだ)郡衙(ぐんが、郡役所)推定地などのスポットもあり、古代ロマンにひたりながら散策を楽しめる。

 古代東海道は律令制下の7世紀以降、中央と地方をつなぐ「官道」(行政区画)として整備された「七道」の一つ。平城京を起点に、常陸国の国府(現・石岡市)までの諸国や伊勢国(現・三重県)を結ぶほぼ海沿いの道で、中央から地方への政令伝達や地方から中央への報告などに使われたという。

 市教委によると、常陸国の玄関口だった稲敷では、下君山から阿見町飯倉に向かう台地に、牛久市との境界として古代東海道の跡が良好に残っているという。道の両側には、信太郡衙の推定地や下君山廃寺跡などの重要な遺跡がある。

 官道は目的地を最短距離で結ぶため、直線的に造られたのが特徴で、奈良時代は幅9~12メートルあった。市文化財保護指導員の鈴木美治(よしはる)さん(68)は「古代の高速道路のような役割を果たした」と話す。

 中でも、上君山地区を通る約400メートルの直線道路(幅2~3メートル)は、今も豊かな緑の中を延び、古代のロマンをかきたてられる。ゴルフ場のフェンスに沿って宇賀神社に向かう市道だが、市民にはほとんど知られていないという。市教委の担当者は「道の隣に舗装された生活道路があり、農作業する人以外に歩く姿はほとんど見かけない」。

 今回の史跡めぐりは、市教委が企画した「いなしき宝探しフットパス」。昔からあるありのままの風景を楽しみながら歩くことで、地域の魅力再発見につなげるのが目的だ。

 ルートは約7・5キロ。鈴木さんの案内で古代東海道を歩き、郡衙推定地や下君山廃寺跡のほか、宇賀神社裏に残る前方後円墳の一部などのスポットを楽しむ。

 鈴木さんは「歴史や文化、由緒ある遺跡といった『宝物』を通して郷土への誇りをもつきっかけになれば」と期待している。

 フットパスは11月13日と17日。市民対象で各回20人程度(どちらか1回、多数抽選)。締め切りは16日。

 問い合わせは市教委生涯学習課(029・892・2000)へ。(佐藤清孝)

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【古代七道】

東海道:伊勢国~常陸国

東山道:近江国~出羽国

北陸道:若狭国~佐渡国

山陰道:丹波国~石見国

山陽道:播磨国~長門国

南海道:紀伊国~土佐国

西海道:筑前国~壱岐国