第6回「子どもに牛乳、私は水だけ」時給の高い国でも貧困拡大

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小暮哲夫=シドニー、中塚久美子
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 「Take what you need(必要なものを持っていって)」

 オーストラリアのシドニーにそんな看板を掲げたスーパーがある。「無料のスーパー」として知られるオズハーベストマーケット。入り口前には新型コロナウイルス対策で1・5メートルの間隔を保ちながら、入店希望者が列を作っていた。

 3年半前から、生活に困っている人に無料で食料品を提供してきた。店内にはパンや野菜、果物などの食料品が並び、入店者は欲しいものをかご一つ分までお金を払わずに持って帰れる。「商品」は業者の寄付でまかない、オーナーの厚意で家賃は無料。スタッフはみなボランティアだ。

 「とても助かる。新型コロナのせいでその日暮らしなので」。入店した女性(40)がそう言って安堵(あんど)の表情を見せた。買い物袋は食べ物でいっぱいだ。「これでも1日分だけです」。5~11歳の4人の子を持つシングルマザーだという。

 女性は複数のパートタイムを…

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