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 道内の新型コロナウイルス感染者数が秋以降、高止まりしている。日別の感染者数は2桁が続き、今月は30人を超える日もあった。札幌を中心にクラスター(感染者集団)が多発し、年代別では若い世代の感染が急増している。「第3波」が現実味を帯びるなか、道や札幌市は冬場の感染拡大を警戒している。

 道内の感染者数は先月27日以降、連日2桁を記録。今月7日は38人と、政府の緊急事態宣言が出ていた4月23日の45人に迫る数字となった。感染者の大半は札幌市内だが、道央を中心に市外にも感染が広がる。

 札幌を中心にクラスターも頻発している。9月下旬以降はススキノ地区のホストクラブや市内のライブハウス、グループホームなどで発生。今月10日にはススキノ地区の2店舗、市内の専門学校、千歳市の陸上自衛隊東千歳駐屯地と、1日で最多となる4カ所でクラスターが判明した。

 最近の感染は若い世代で急速に広がっているのが特徴だ。6月末までは40代以上が約8割だったが、7月以降は3分の2が30代以下となっている。

 特に目立つのが20代で、ススキノ地区のキャバクラでクラスターが発生した7月15日を境に急増し、全体の約2割を占めるまでになった(いずれも年代非公表者を除く)。秋元克広市長は今月6日の会見で、「若い人から高齢者に感染すると重症化してしまうことも懸念される」と注意を呼びかけた。

 一方、死亡する人の割合は以前より低くなった。6月末までは感染者1263人に対し死者が99人(約8%)だったが、7月以降は感染者1167人に対し死者は8人と1%未満に減った。

 今後の感染拡大を警戒して、鈴木直道知事と秋元市長は14日、会談して対応を協議。9月の大型連休以降、道内の感染者が増えている状況から、検査体制の強化や街頭啓発を共同で取り組むことを再確認した。(芳垣文子、戸田拓、原田達矢)

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 9月以降、道内の感染者が増えている状況について、専門家からは「第3波」の始まりではないかという声も上がっている。

 札幌医科大の横田伸一教授(微生物学)は「高齢者が中心の第2波とは状況が明らかに異なる。今は、これ以上拡大する前に抑え込めるかの局面にある」と指摘する。9月の大型連休が、若者間での感染拡大のきっかけとなった可能性が高いという。

 道内では6月ごろまで、高齢者のコミュニティーでの感染が目立っていた。だが、7月以降は「夜の街」でのクラスター発生など、若者の感染が増えた。横田教授によると、現在の感染拡大はこの延長にあるという。「感染者数が低かった時期も、市中感染はゼロにならなかった。若者のコミュニティーで保持されていたウイルスが、ここにきて拡散したという状況だ。今後さらに広がるのか、一過性で終わるのか、現段階では見通せない」という。

 道の対策本部は、道外に出ていないのに感染した若者も多く、道内で感染が広がっていると見る。重症化しにくいとされる若者は、他の年代に比べて外出を控える意識が薄いのも影響しているという。

 一方で、今になって若者の感染が増加したのではなく、ススキノなどでの検査体制の拡充で、これまで見過ごされてきた部分が可視化されてきた可能性もあるという。道保健福祉部の広島孝技監は「若者は感染しても症状が出ないことも多い。第1波、第2波の時も、実は若者の感染者の方が多かった可能性はある」と話した。(武田啓亮)