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 シェアハウスなどの投資用不動産融資で相次いで不正が発覚したスルガ銀行が改革に乗り出している。県内の金融機関として初めて消費者庁の「内部通報制度認証(WCMS認証)」に登録されるなど、まずは風通しの良い行内整備に努め、法令順守の徹底をめざす。

 同制度は、内部通報でコンプライアンス(法令や社会規範の順守)経営の実効性を高めるため、昨年2月に導入された。内部通報者が制裁的な措置を受けるのを防ぐのが目的で、社内規定が認証基準に適合していれば自己適合宣言登録事業者として認められる。審査する第三者機関「公益社団法人商事法務研究会」によると、金融機関などを中心に82社が登録しているという(14日現在)。

 スルガ銀行では、2018年に融資の審査書類の改ざんや契約書の偽造など不正行為の横行が表面化した。第三者委員会の調査報告書で、「多くの行員が偽装を黙認していた」、「形式的な手続きに終始し、不正の兆候をほとんど発見できなかった」など、内部統制の欠如が指摘された。

 一連の問題を受け、同行はコンプライアンスを経営の最重要課題と位置づけ、18年11月に「コンプライアンス体制再構築委員会」を設置。外部の弁護士の監督下でコンプライアンス体制の再構築を進めてきた。

 具体的には、内部通報等のリスク情報を一元管理する内部通報等対応室を設置したり、弁護士や外部業者に委託して1カ所だった内部通報窓口を4カ所に増やしたりするなど、不正の兆候をつかむ体制整備に取り組んできた。

 同社の広報担当は「コンプライアンス違反などの早期発見・是正に努め、信用され、従業員が安心して働ける職場環境づくりに取り組む」としている。

 企業の内部通報を巡っては、通報を理由に解雇や降格など不利益な取り扱いをすることを禁じる公益通報者保護法が06年に施行された。しかし、東芝の不正会計(15年)やスルガ銀行の不正融資など機能しなかったケースも多く、改正を求める声が高まっていた。

 今年6月、同法の改正案が成立。従業員300人を超える事業者に内部通報の体制整備を義務づけた。学校法人や医療法人、NPOなども対象で、違反した場合は行政が助言・指導し、勧告に従わなければ公表する。内部通報を受けた担当者には罰則付きの守秘義務を課した。(和田翔太)