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 米国は歴史的に数多くの移民や難民を受け入れ、それを成長の原動力にもしてきた。だが、トランプ政権で目立ったのは外国人を目の敵にする姿勢だった。紛争から逃れ、米国を将来の安住の地に見定めていた人々は途方に暮れている。

 「米国へのフライトがキャンセルされました」。マレーシアの首都クアラルンプールで暮らすカリム・ガニさん(40)に、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の担当者から連絡が入ったのは、昨年1月のことだった。心待ちにしていた米国定住に突然「待った」がかかった。

 ガニさんはミャンマー西部ラカイン州の出身。同国の少数派イスラム教徒ロヒンギャだ。政府の迫害を逃れ、2005年にタイを経由してイスラム教国のマレーシアに渡ってきた。

 だが、マレーシアは難民の地位を認めておらず、子どもも公教育は受けられない。米国定住を求めたのは「3人の子どもに教育を受けさせたかったからだ」と言う。UNHCRの支援を受け、米政府の面接や健康診断も無事に終えた。仕事も辞め、住む家も引き払った。後は出発を待つだけ。キャンセルの連絡が来たのは、そんな時だった。

 しばらく待っても状況は変わらなかった。友人宅に転がり込み、数カ月をかけて魚市場での包装の仕事と賃貸の家を見つけた。

 だが、その仕事も、新型コロナウイルスの流行で失った。

 今は路上でプラスチックや空き…

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