川辺川ダム求める声も 球磨川の氾濫、知事と住民ら会合

伊藤秀樹、渡辺七海、村上伸一、棚橋咲月
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 7月の記録的豪雨で氾濫(はんらん)し、流域に甚大な被害を及ぼした球磨(くま)川(熊本県)をめぐり、蒲島郁夫熊本県知事が農業・商工関係団体や流域住民らから意見を聴く会合が15日、同県人吉市で始まった。治水対策の方向性や復旧・復興のあり方について話し合った。会合は11月中旬まで計20回程度、各地で開く。

 蒲島知事は会合で出された意見や、国や流域市町村との協議も踏まえ、年内の「なるべく早い時期」に治水の方向性を示す考えを示している。この日、冒頭のあいさつで、「持続可能な地域の再生をめざすことが私の使命と受け止めている。早急に治水の方向性を導き出し、一日も早い復旧復興につなげる」と述べた。

 この日は、県が呼びかけた球磨地域農協や球磨川漁協など8団体の代表ら10人が出席。県は、豪雨災害後に治水対策を検証する合同委員会で国が示した、2009年に計画が中止された川辺川ダムがあった場合に人吉市中心部などの浸水範囲が約6割減ったなどとする治水効果の推計結果を報告した。

 球磨地域農協など複数の団体からは、川辺川ダム計画について「早急にダムを建設し、他の対応策もとって住民の命と財産を守ってほしい」などと推進を求める声が上がった。ダムへの考えを示さない団体もあった。

 豪雨災害で熊本県では65人が死亡し、2人が行方不明になっている。球磨川流域での死亡者は50人と推測されている。(伊藤秀樹、渡辺七海、村上伸一、棚橋咲月)