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 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は9月、昨年放送されたテレビ朝日の報道番組「スーパーJチャンネル」内の特集に不適切な「仕込み」演出があったとして「放送倫理違反がある」と認定した。公表された意見書には、担当した制作会社のディレクターが調査で語った「自分はしょせん機械」との言葉が記載されており、制作現場の過酷な現状がうかがえた。(大野択生、川村貴大)

 昨年3月に放送された約15分の特集。業務用スーパーを訪れる一般客に声を掛け、その人間模様に密着するという内容だった。

 しかし登場した男女5人は、制作の委託を受けた関連会社「テレビ朝日映像」の派遣社員だった40代の男性ディレクターが主宰する、演技塾の生徒や知人だった。ディレクターからロケの日時を事前に知らされ、偶然を装って登場していた。放送の7カ月後、テレビ朝日は不適切な演出があったとして謝罪した。

「必要な絵が足りない」

 意見書によると、ディレクターは月に1本ほど特集を制作。2018年3月から約1年間で担当した他の12本のうち5本でも、同様の「仕込み」演出が行われていた。ディレクターは自らが提案した企画が通らず、過去の放送実績がある業務用スーパー企画の制作を上司から指示された。VTRの試写などの場で「必要な絵(場面)が足りない」などと何度も叱られ、「企画の趣旨に即した映像をいかに効率的に撮り、叱責(しっせき)を回避するかにあくせくしていた」という。BPOの聞き取りに対し、淡々とこう語ったという。「自分はしょせん機械なんです、こういう番組にする、こういう絵が要る、それを撮ってこいと上から言われて、そういう絵を撮る、それだけです」

こうした事例は「スーパーJチャンネル」だけに限りません。今、テレビ業界ではドラマやバラエティーに代わり、よりコストが安いニュース番組や情報番組が増えています。その中で制作会社は複数の番組を掛け持ちすることに。記事後半では、制作現場の内実を紹介します。

 テレビ朝日映像は取材に対し、…

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