[PR]

 具からスープ、麺まで、すべてが鳥取県産食材――。そんなラーメン「RTPらーめん」が誕生した。RTPは「ラーメン 鳥取 プロジェクト」の略称だ。

 開発したのは、外食大手に勤務し、現在は社員食堂のプロデュースなどをしている藤本孝博さん(56)=東京在住。県内の漁師や農家の協力を得て、2年がかりで開発。21日、移動店舗のフードトラック(キッチンカー)で販売を始める。

 「自治体の食堂はだいたいまずい。そこでうまいラーメンを出せば人が来る。めっちゃおもろい」

 そんなことを考えていた大阪出身の藤本さんは2018年12月、カニを食べに鳥取市へ。思いがけず南隣の八頭町にある隼(はやぶさ)地区で地域活性化の複合施設整備に関わった知人に再会した。地産地消についても考えがあり、知人とその知り合いに「うまいラーメンをつくり、県外からも客を集める新しい地産地消をやりませんか」と提案した。

 藤本さんはたびたび鳥取を訪れ、漁協や農家、畜産業者らを回り、食材を探した。国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)につながると考え、買い手のつかない小魚や捨てられる鹿の骨、色や形のよくないシイタケを利用することを思いついた。

 スープはしょうゆをベースに、県内の港に揚がる魚介や若桜町で捕獲される鹿の骨、県特産のシイタケなど5種類のだしを混ぜることに。知り合いの「スープの天才」に、思い描くスープの実現を託した。若桜の鹿はチャーシューの一つとしても使い、シイタケも具材の一つに。麺に使う小麦は入手困難だったが、県内農家の協力で栽培できた。

 試食会を重ね、先月17日には若桜町の道の駅「若桜(わかさ)桜(さくら)ん坊(ぼう)」で完成披露試食会を開き、基本の「RTPらーめん」とシカを強調した「RTPらーめん鹿」の2種類を出した。「らーめん鹿」は基本と同じ5種類のだしを混ぜるが、鹿の割合を増やし、鹿と豚と鶏各1枚のチャーシューを3枚とも鹿にした。鹿の風味に負けないよう麺は太くしたという。

 参加者から、基本の「らーめん」は「まろやかで脂っこすぎず、食べやすい」(鳥取市の27歳女性)、「具にシイタケは珍しいが、違和感なく食べられた」(同市の31歳男性)、「らーめん鹿」は「あっさりして食べやすかった。臭みはなかった」(岡山市の40歳男性)などの声が出た。

 県庁の食堂で売ろうと、県に「私がプロデュースしますから」と働きかけたが、結局「民間主導」にしたという。

 藤本さんがターゲットにするのは東京のラーメン好きだ。「東京からラーメンフリークが鳥取に来るようにしたい。鳥取に泊まって観光に行き、お金を落としていってほしい」。そのため、キッチンカーを増やして知名度を上げ、鳥取の新名物にしたいと願う。

 21日はJR鳥取駅前の風紋広場に止め、午前11時から2種類のラーメンを販売する。値段は先月17日の試食会の時点で「4ケタになる」とし、現在は「熟考中」という。この日は最高級の鳥取の牛と豚、鶏を載せた「RTPらーめん極(きわみ)」も売り出す予定だ。問い合わせはメール(tfj.secretary@gmail.com)で。(石川和彦)