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 香川県の銘茶・高瀬茶を生産販売する「高瀬茶業組合」(三豊市高瀬町)が、体調にあわせて食材や生薬を組み合わせる「薬膳」の教室を地元で始めた。高齢化や後継者不足に悩む業界の活性化を目指し、薬用作物を新たな産業の柱に育てようという試みの一歩だ。

 薬膳教室は今月開講した。東洋医学に基づく薬膳を深く理解した証しとなる国際薬膳師の資格を持つ山下れい子さん(60)=善通寺市=が講師を務める。料理好きの市民や管理栄養士、農家ら約30人が受講し、来年1月まで計8回にわたり、薬膳の基礎知識を学ぶ。

 1日の講義では、体を「温める」「冷やす」「どちらでもない」といった食物の性質や作用について学んだ。参加者は約40種類の生薬にも触れて、香りなどを確かめた。「体調にあわせてレシピを組めるようにすることが最終目標です」と講師の山下さん。三豊市内で居酒屋を経営する男性(35)は「初めて見聞きする生薬も多かった。季節や常連さんにあわせた料理や飲み物を出せるようになれれば」と話した。

 薬膳教室は、「茶も生薬の一つ」との考えから茶業組合が主催した。背景には地元の三豊市が薬用作物の産地化を推進していることや業界の苦境がある。

 ほどよい渋みと甘さのある高瀬茶は品評会で大臣賞を受賞したこともあるが、全国シェアはごくわずか。ピーク時に200戸を超えた組合員数は、従事者の高齢化や後継者不足などで現在約20戸まで減った。生産面積も約130ヘクタールから約20ヘクタールに縮小し、耕作放棄地も課題になっている。

 一方、大西保徳組合長(67)によると、地域にはウコンを作る生産者がいるほか、産直市にヨモギも並び、薬用作物の生産が少しずつ広がっているという。

 そんな中、まず地域の消費者に薬用作物を使いこなす知識を身につけてもらいたいと開設したのが薬膳教室だ。大西組合長は「高齢者でも生産しやすいものもあるので、薬用作物の栽培を広げたい。将来的に、加工販売まで組合で手がけられれば」と話している。

 11月に開講する教室もある。第2・4日曜午前のコースは、申し込みを受け付けている。問い合わせは、組合薬膳部(0875・56・6001)へ。(多知川節子)

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