藍住町の「犬伏家住宅」国重文に答申 徳島

雨宮徹
[PR]

 国の文化審議会は16日、徳島県藍住町東中富にある近代和風住宅「犬伏(いぬぶし)家住宅」を国の重要文化財(建造物)に指定するよう文部科学相に答申した。県内の国重文の建造物は21件目になり、藍住町では初めての事例になるという。

 県文化資源活用課と町教育委員会によると、「犬伏家住宅」は1932(昭和7)年~33年に吉野川下流域北岸に面して建てられた。犬伏家はもともと、この地域の特産品だった藍の取引で財を築いたとされ、江戸時代後期以降は、薬の製造・販売へと事業を拡大させたという。

 「犬伏家住宅」は、建物15棟と土地が一括で1件の国重文として扱われる。

 約5千平方メートルの敷地の中心部に2階建ての主屋が建ち、それを取り囲むように座敷や書斎などの建物群と、乾蔵、味噌(みそ)蔵などの倉庫群が立ち並ぶ。機械工場や前納屋、表門も対象に含まれた。ほとんどが和風の建築様式だが、西側に配置された応接室は洋風になっている。

 県文化資源活用課の担当者は「応接室内に建築当時の洋風家具が残っており、現存している中でここまで立派な洋室は県内では珍しい」と話す。

 また、水害から家屋を守るため、敷地が周囲よりも一段高く宅地造成されている。吉野川下流域にある藍で栄えた、ほかの豪商や豪農の屋敷にもみられる特徴の一つだという。

 県内の近代和風住宅としては、2015年秋に答申された上板町佐藤塚の藍屋敷「戸田家住宅」に次いで2件目の国重文になる。(雨宮徹)